看護師は昇給しにくい?
高給与なイメージがある看護師ですが、実は昇給しにくい仕事であることはあまり知られていません。そこで、看護師の給与事情を年齢や性別などの観点から紹介していきます。
上がりにくく下がりにくい
看護師の昇給が鈍るのは30代に入ってからです。20代の段階では他職種の同年代よりも高い給与を得ますが、30代後半になると逆転されるケースが多いです。50代前半になると、同年代とは100万円ほどの差がついてしまいます。この昇給の鈍さは金額の差はあれど女性全体の昇給の傾向と近いです。2013年~2017年の平均年収は、労働者全体だと22万円、女性は24万円も上昇しています。しかし、看護師に限ると6万円ほどしか上昇していません。このように上昇率が低い看護師の給与ですが、逆に下がりにくいという特徴もあります。例えば、平成13年から平成23年の間は不況の影響でサラリーマンの平均年収は40万円以上も下がりました。しかし、看護師は5万円程度の減少にとどまりました。このように、景気の状態に左右されない仕事なのです。
女性特有の要因
看護師は9割以上が女性であり、そのことも昇給しにくい要因になっているようです。結婚や出産、育児のために離職する看護師が多く、一度現場を離れた後は非正規雇用で復帰する人が多いです。そうなると当然正規雇用よりも収入は下がってしまいます。子育てと両立するためには日勤の仕事を選ぶ必要がありますが、看護師が高給与を得るためには夜勤手当がカギとなるので、それがないと給与は下がります。
看護師の求人数は多いですが、夜勤や残業ができないとなると給与面の条件がいい求人は非常に少ないです。また、産休や育休をとって同じ職場にとどまっても、その間の昇給は難しいでしょう。現場に復帰しても育児のために時短勤務をするので通常よりも低い給与になります。このような女性ならではの要因が伸び悩みにつながっています。
役職に就きづらい
もうひとつの要因として、昇格の機会が他の仕事に比べて少ないことも挙げられます。役職に就くことで昇給できますが、看護師は役職の数が少ないです。主なものだと副主任、主任、副師、師長ですが、かなりのキャリアを積まなければ手が届きません。スタッフ数に比べて就ける役職が少ないので昇進による昇給が難しいのです。仮に昇進しても、管理職のために夜勤の回数が減り、手取り額が結果として少なくなってしまうケースもあります。これらが、看護師が昇給しにくい原因です。
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フリーランスとして働く
意外に思うかもしれませんが、実は看護師もフリーランスとして働くことができます。ひとつの組織だけに属するのではなく、高給与を得られる仕事を掛け持つことで年収1000万円も夢ではありません。
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昇給するためにチェックしておきたいポイント
昇給したい看護師が必ずチェックすべきポイントがあります。それは勤める病院の経営状態と人事評価の仕組みです。これを理解していない看護師は、いつまでたっても昇給できない可能性が高いです。
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都会と地方、地域によって差がある
病院は全国にありますが、実は都会と地方では看護師の給与に差があります。東京都など規模の大きい都市のほうが給与は高い傾向にあるようです。それ以外だと、県民あたりの看護師人口も給与に関わってきます。